大阪研修医

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回数別を全力で解く勉強

最もコストパフォーマンスの良い国試対策とは何か。
この数か月間は勉強しながらずっとそんなことを考えていました。
 
私が回数別の研究を推す理由は大きく分けて3つあります。
 
 
①臨床問題、必修は「診断力」が勝負
 
これが一番大きな理由です。
必修が200点満点のうち150点が長文問題で占められていることは皆さんよく御存じでしょうし、その後半部分には2連問が待ち構えていることも有名です。
この2連問は一つの疾患に対して別の方向から知識を問う問題が多いです。
すなわち、「診断を間違えてしまうと3×2=6点落としかねない」のです。
 
 
40点しか落とせない必修において、これは致命傷になりかねません。
必修に限ったことではないのですが、臨床問題で合否が分かれてしまう理由の8割がこの「診断を付けられない」ことに起因すると思ってよいでしょう。
 
110回ではhttp://medu4.com/110f26/なんかが「合否を分けるその1問」になったようですね。
この2連問は高齢者の単関節炎の鑑別ができるかどうかに全てがかかっていますよね。
 
 
では、診断力をトレーニングするにはどうすればよいか。
典型的な病歴を学ぶ
フィジカルを丁寧に学ぶ
普段から鑑別を挙げる訓練を怠らない……
これはよく言われることで、当然とても大切です。
心構え的にはそれでいいと思うのですが、心構えだけでどうにかなれば苦労はしません。
 
 
これはなかなか認識されていない問題点かもしれませんが、実は一般的な過去問集を解いていてもあまり有効なトレーニングにはなりません。
臓器別・疾患別に問題が並んでしまっているからです。
 
例えばの話ですが、「QB循環器」の大動脈弁狭窄症の章を解いていたとしましょう。
 
78歳男性。息切れを主訴に来院した…
から始まる問題を見た瞬間頭に思い浮かぶことはなんでしょうか?
 
恐らくは「心エコー」「心内圧検査」「大動脈弁置換術」辺りのキーワードが答えになる、という事実ではないかと思います。
 
しかし、実際の国試では「息切れ」というキーワードから他の弁膜症や冠動脈疾患や心筋症、呼吸器疾患、血液疾患、内分泌疾患などを鑑別に挙げ、尚且つこれらを病歴から否定することができていなければ適切な検査・治療を選び出すことは出来ません。
 
逆に言うと鑑別さえできていれば正解を選ぶことは容易なわけです。
ASだとわかった上で腹部CTを選ぶ人はいないでしょうしね。
 
以上の理由から、私はできるだけ多くの医学生に、
診断が予め判明していない回数別を利用して診断のトレーニングを積んでほしい
と考えているのです。
 
 
 
 
 
②一般問題はビデオ講座&year noteが最強
 
これに関してはまた別記事で詳しく書きたいと思いますが、私は一般問題は知識と理解が全てだと考えています。
 
沢山の知識の習得と病態の正確な理解のために近道はありません。QB等を利用して過去問を解きまくるだけでは必ず穴ができますし、何より理解ができません。
 
私としてはビデオ講座で全体像をつかんだ後にyear noteでチェックしていくという正攻法をお勧めしたいと思います。
 
 
 
 
コスパが良い
 
回数別は無料で公開されていますから、金銭面でとてもお得です。
僕みたいな貧乏学生にお勧めするのはmedu4。
穂澄先生特有の必要十分な解説が大量の問題を何周も解くにはもってこいでした。
 
お得なのは金銭面だけではありません。
国家試験には出題委員というものがあります。
そしてその出題委員は数年間変わりません。
 
お分かりかと思います。
当たり前ですが、自分が受ける国試の問題は、ほとんどが前年の国試を作った人たちが作っているのです。
 
人間にはクセや好みというものが絶対にあります。
ここ数年で出続けているテーマからは今回も絶対に出ます。
 
 
私個人の話で恐縮ですが、私は110回で「精神科の検査が2問以上出る」ことを知っていました。
ここ数年ずっと出続けているからです。
過去問集は網羅的に問題を載せないといけないため、相対的に検査の問題の存在感は低くなってしまいます。
ですが私は「精神科は検査だけでもいい」くらいのつもりでヤマを張り集中的に勉強していました。
回数別を研究していると、それくらい検査の問題が重要に見えてきてしまうのです。
結果的に2問を確保することができ、本当に良かったと思っています。
 
 
 
 
長くなってしまったので今日はここまで。
本当にオススメですよ、回数別。
 

ーーーーtake home messageーーーー

①臨床問題は「診断力」で決まる
②診断力は病歴身体所見から「鑑別を挙げる力」
③トレーニングは診断がマスクされた回数別で
④直近の過去問ほどコスパの良いものはない