大阪研修医

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year noteは必要か

受験業界には、「QB不要論」を唱える人もいれば「ビデオ講座不要論」を唱える人もいます。
 
(考え方は人それぞれだと思うので、それ自体は大いに構いません。回数別不要論を唱える人は流石にいませんし)
 
この記事をご覧になる方の中には、こんな先生に出くわしたことのある人も多いと思います。
 
ーーー「year note?そんなものダメだ邪道だ」ーーー
 
ポリクリで何故かよく出会う、このyn否定派。
皆さんもこのyn不要論に頭を悩まされたことがあるのではないでしょうか。
 
指導医の意見というのは、学生にとって多かれ少なかれ影響を与えるものですからね。
 
 
 
 
 
 
結論から申しますと、僕は国試の勉強にはynが必須だと思っています。
 
そもそもの話になりますが、ynが不要だと主張する人々が多い原因は3つほどあります。
 
 
①国試対策本なんてけしからん!ハリソンを読みなさい!
 
 
指導医の言ってくることは大抵これだと思っていいです。
そして、これに耳を貸す必要は特にありません。
そもそもの目標が違うからです。
指導医は「世界中で読まれているスタンダードな成書に触れて、きちんと病態を理解し最新のエビデンスに触れてほしい」という親心からこれを言ってくれているのです。
これはこれでもっともなことです。
ynで患者さんを診れるようになったりはしませんからね。
 
ただし、私たちの目の前の相手は国家試験です。
確かに、最も確実な情報源から確実な病態への理解を得ることが非常に大切であるのは疑う余地もありません。
ですが大多数の受験生には時間がないのです。
時間の無い受験生にこれほど膨大な情報を処理しきることが可能でしょうか?
処理し切れる人なら構いません。その人はとても優秀な医師になるでしょう。
では処理しきれなかった人はどうなるのでしょう?
 
ハリソンは国試対策を始める前か、国試を終えた後に使うとすれば、ピッタリな本当に素晴らしい本だと思います。
ですが数ヶ月で国試に受からないといけない6年生に、一からハリソンを読ませるのはリスクファクター以外の何物でもありません。
 
 
 
②ynなんてオーバーワーク!三苫ノート万歳!
これは完全に①のパターンの逆ですね。
こんなことを大真面目に言う人って、実は驚くほど多いんです。
こういう人は模試を解く度に三苫はこんなこと言ってなかった!!(怒)」と口癖のように当たり散らしていることが多いです。
こんな受験生にならないためにも、自分の中にきちんとした情報ソースは持っておきたいですよね。
 
ynって意外と情報のアップデートが早いし、意外と臨床的でトピックス的なことまで書いてくれてるんですよ。
その分野の日本の第一人者のような先生に監修を依頼してるみたいですし、当たり前かもしれませんが。
 
調べた疾患の前後の記載を読むと、へえ~と思わせられることがたくさん書いてたりします。
しかも意外とそういうところから出題されたりするんですよね、最近の国試って。
 
 
 
③ynは羅列だけ!病態がわからない!ステップを読みなさい!ステップ!
 
 
これは厄介ですね。
確かにynは羅列的だと思います。
相当行間を読む力がないと、ynだけを読みこなすのは難しい気がします。
内科という膨大な知をあの1冊に詰め込んでるのだから、ああなってしまうのは仕方ないのかもしれません。
ynを持っている人ならわかると思うんですが、いきなり疾患ページを読んでも全然頭に入ってこないですよね。
文章という体を成していないからです。
 
そこで行間を埋めてくれる役割をするのが、実はビデオ講座や回数別なんです。
孝志郎先生の話を聞き、ynの該当ページを読んでラインマーカーを引く。
回数別を解いて発見した新しい知識があれば、余白に書き込んでいく。
忘れていた検査所見を見つけたら、ynの総論部分をまとめて読む。
そういった極めて地道な使い方をしているうちに、いつの間にかynが自分にとっての国試最強本になっている人って結構多いみたいです。
自分で行間を埋めていく作業が、実は一番いい勉強になるのかもしれません。
 
ステップに関しては、確かに病態について詳しく解説しているとても良い本なんですが、解説がクドいので国試向けに何度も読む用にはあまり向きません。
定期試験には最適ですがね。
また、解説が詳しくて長い分、冊数が多い割に扱っている内容が薄いんですよね。
ステップだけでいこうとすると、取りこぼす事項がポロポロ出てくるので結局不安が残ってしまうんです。
 
結局のところ
「ynなら、一冊で国試全部をカバーしてくれる」という安心感。
これが一番なんじゃないかなと思います。
 
 

ーーーーtake home messageーーーー

①一般問題はとにかく知識の量と、正確さ
②ynは大抵のことをカバーしてくれる